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 昨年柏さんが出した書籍『交通誘導員ヨレヨレ日記』(三五館シンシャ)には、「陽気なフィリピン人」から「80代のエロ爺さん」まで出会った様々な同僚が登場する。元映画監督に元経営者、元医者などあらゆる階層の人間が集まるのもこの仕事の面白さだ。

 さらに、体を使う仕事で健康にいいことや、時折、人から感謝の言葉を掛けられることも魅力という。「この仕事を始めてからは風邪をひいたことがない」と柏さん。誘導していて「お疲れ様」と声をかけてくれる人は10人に1人くらい。それでも1日中、誰にも感謝の言葉をかけられない仕事などいくらでもある。

 世間では過酷に思われている交通誘導員。だが、見方を変えれば、「人に大きな迷惑をかけることもなければ、人から指図されることもなく、ほどよく刺激が伴う仕事」との側面もある、というわけだ。