動画配信市場を切り開いた米ネットフリックス。競争は激しさを増しているが、米国外での有料会員数が1億人を突破するなど、足元のビジネスは堅調に推移している。
同社には配信技術やコンテンツ制作などあらゆる面で最高峰の人材が集まる。なぜ才能を呼び込めるのか。報酬の高さはもちろん要因だが、独自の企業文化もそれに寄与している。
「カルチャーガイド」。これはネットフリックスが重視し、社員に求める価値観や行動についてまとめた文書だ。「シリコンバレーから生まれた最高の文書の一つ」。米フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)が絶賛したように、社員の創造力で変化の激しい時代に対処しようとする哲学を示した同文書は、これからの企業のあり方を映し出している。
この中で、とりわけ重要なのは「自由と責任」という項目だ。
ネットフリックスに入社した人間がまず驚くのは、その圧倒的な裁量の大きさだ。同社には、経費や出張、休暇などに関する規定は存在しない。唯一の規定は「会社にとって最善の行動を取る(act in Netflix’s best interest)」というもの。ハラスメントと安全に関わること以外は基本的に自由だ。
常に最高のチームを作るという「ドリームチーム」も、同社が重視する価値観として知られている。マネジャーに求められるのは、チームに自分より優秀な人間を採用すること。将来、自分のポジションを脅かすかもしれないが、それ以上に能力と人柄を見る。
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