ソニーの復活もあって、電機業界の中でも改革が結果につながらない印象が強いパナソニック。社内を見渡すと、「改革」に対する経営陣と現場の温度差が広がっていることが分かる。
オフィス内の服装は自由で、座席の指定もない。至る所で社員同士が気軽に会話し、経営幹部向けでも立派なプレゼン資料は不要で口頭ベースで議論が進む。
パナソニックで法人向けシステムを手掛ける社内カンパニー「コネクティッドソリューションズ(CNS)社」の本社(東京・中央)オフィスは、さながら東京・渋谷のネットベンチャーのような雰囲気だ。2017年4月に同社に出戻った樋口泰行専務執行役員が主導した「風土改革」のたまものと言える。
ダイエーや米マイクロソフト日本法人の社長などを経て、25年ぶりにパナソニックに復帰した樋口専務。津賀一宏社長が当時、新設したCNS社のかじ取り役を担わせたのは経営実績を買ってのこと。何よりも「社外」で腕を磨いたリーダーを据えることで、社内に刺激を与える効果を狙った。
樋口専務本人が痛感したのが大企業病に直面する古巣の姿だ。「多様な人たちが集まり、会社内の風通しが良ければ、客観的に正しい道は見いだせる。だが、どちらもなかった」と振り返る。
「門真発想を捨てる」。樋口専務は復帰半年後にCNS社の本社を、大阪・門真市から東京・汐留エリアに移転。「いったん廃止した週報すら、名前を変えて続いていた」(樋口専務)風土を変えるため、18年末に「カルチャー&マインド改革推進部」を立ち上げ、組織間の連携やコミュニケーション強化を促した。自らが見本を示し、時間をかけて変革に取り組んできた。
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