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 米国だけで4700ある店舗とそのオペレーションのノウハウの蓄積が、ウォルマートが持つアマゾンとの違いだ。だが、店舗は資産であると同時に、デジタル化に際しては最大の障壁になり得る。例えば、PART1で見たオンライン・グローサリー・ピックアップのような新たなサービスを導入すると、店舗にとっては新たな作業が増える。

 ウォルマートは人を増やさず、新たなサービスのための時間を捻出するためのカギとして、様々な技術やデジタルツールを導入し、現場の働き方を変えることに注力している。

 アーカンソー州のウォルマート本社近くの都市、ロジャース。ウォルマートの主要業態「スーパーセンター」の店内で、白い躯体(くたい)のロボットが、ソースなどの商品が並ぶ棚の前をゆっくりと移動している姿があった。ロボット「Auto-S」だ。

 LEDライトで棚を照らしながら、躯体からのびた白い棒に付いたカメラで、棚や通路の情報を集める。「商品があるべき場所にスペースがあれば警告が出る」(ウォルマートのプロセスデザイン&ロボティクスディレクター、マット・アレクサンダー氏)