各種センサーで住民の一挙手一投足を追跡するグーグルのスマートシティーは「21世紀のプルマン」だとワイディッツ氏は訴える。

 サイドウオーク側は第三者機関にデータの管理を任せるとしている。しかし、ワイディッツ氏ら反対派の不信感は収まらない。

 トロント市などが設置した再開発計画の監督機関は、高まる反対運動を受けて19年10月末、計画に制限を加えると発表した。サイドウオークは当初、再開発する土地を最終的に76万9000m2まで拡大する意向を示していたが、これを東京ドーム約1個分の4万9000m2に縮小した。第三者機関がデータを管理する構想も却下し、法律と規制に基づいてより厳格な管理下に置くことにした。

 ワイディッツ氏は「勝利を収めることができた。ただしまだ第1ラウンドが終わったにすぎない。計画が最終決定するまで気を抜けない」と語る。

FBの情報流出で潮目変わる

 巨大テック企業を町から締め出そうとする運動は世界に広がる。

 米アマゾン・ドット・コムは19年2月、米ニューヨーク市に第2本社を設置する計画を撤回した。地元自治体から助成金や税制優遇を受けるにもかかわらず、雇用などの面で地域社会への還元が限られるとして、市民の反対運動に押された格好だ。ドイツ・ベルリンでは町の雰囲気を損なうとして、グーグルの新オフィス建設計画に対する反対運動が巻き起こった。

 GAFAに代表される巨大テック企業は、いつから民衆の“嫌われ者”になったのか。

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この記事はシリーズ「終焉GAFAの時代 企業と国家の未来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。