不祥事はいつの時代にも起きる。今年もセブンペイの不正利用、関西電力の金品授受問題など、世間を騒がせた不祥事を受け、数多くの謝罪会見が開かれた。だが、これまでのやり方が通用せず、事態の沈静化に失敗したものも少なくない。その裏ではどんな変化が進行しているのか。カメラの前で頭を下げることが半ば「様式美」となっていた日本。今、企業は新たな「謝罪の流儀」を見つけるべきタイミングに来ている。

(武田 安恵、白壁 達久、原 隆)

謝罪カレンダー2019

1月

ZOZO、業績下方修正

販売拡大戦略が不振で、業績を下方修正。前澤友作社長(当時)はツイッターで謝罪

2月

レオパレス、施工不良

施工不良物件が新たに発覚し、深山英世社長(当時)が謝罪。その後6月に辞任に追い込まれた

(写真=共同通信)

3月

ピエール瀧、薬物問題

タレントのピエール瀧氏がコカイン使用で3月に逮捕された。4月の保釈時に頭を下げる

(写真=アフロ)

4月

「忖度発言」で辞任

塚田一郎議員が道路整備を巡り「私が忖度した」と発言。責任を取り国土交通副大臣を辞任

(写真=共同通信)

5月

野村証券、情報漏洩

東京証券取引所の上場基準の見直しなど非公開情報を顧客に漏洩。金融庁が業務改善命令

(写真=共同通信)

6月

信用スコアで炎上

ヤフーの信用スコア事業で個人情報が同意なく外部に提供されかねないとの批判が高まりお詫び

7月

吉本「闇営業」問題

反社会的勢力の会合に参加し、ギャラを受け取った闇営業問題。タレントと吉本興業の社長が会見

(写真=共同通信)

8月

リクナビ問題

学生の内定辞退率予測データを本人の承諾なしに販売。リクルートキャリアの小林大三社長が会見

(写真=共同通信)

9月

香港・条例改正を撤回

香港で逃亡犯条例の改正案に市民が反発。大規模デモ頻発で林鄭月娥行政長官が撤回表明

(写真=共同通信)

10月

巨額申告漏れ

チュートリアルの徳井義実氏に1億円超の申告漏れが発覚。過去の無申告も明らかになり活動自粛

(写真=共同通信)

11月

笠りつ子「死ね」発言

女子プロゴルファーの笠りつ子氏がゴルフコース関係者に不適切発言。11月19日に涙の謝罪

(写真=朝日新聞社)

12月

神奈川県データ流出

神奈川県の行政文書を保存したハードディスクが、廃棄業者から流出。黒岩祐治知事が謝罪

(写真=時事)

CONTENTS

日経ビジネス2019年12月16日号 32~33ページより目次