創業71年、売上高15兆円を超える日本を代表する大企業になったホンダ。最近漂ってくるのは、ほかの多くの大企業と同じような「普通」さだ。八郷隆弘社長は部品会社や研究所など聖域に手を付け危機感をあおるが、チャレンジ精神とスピード感があふれた創業当時のイメージはどんどん薄れている。革新の芽を育てなければ、自動車産業の大変革の波にのみ込まれかねない。「偉大なるイノベーション企業」であり続けてほしい。その思いを受け止められるか。(写真=ジェット機:ロイター/アフロ)
(菊池 貴之、北西 厚一、大西 綾)
CONTENTS
PART1
スピード・規模・独創性 いつの間にか「平凡企業」
PART2
幻のデンソー・ケーヒン統合
再成長への荒療治 動き出した八郷改革
DATA
数々の試練を乗り越えてきたが……
これまでと違う「内なる停滞」
PART3
すり合わせがMaaSに生きる
3200万台を融合 移動の価値を再発明