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半人前の学生を一括採用し、職場内訓練(OJT)で一人前に育てる日本。大学が学生に十分なスキルを身に付けさせ、企業に供給するスウェーデン。他の国々の教育方針はどちらなのか。欧米・アジアの主要国の教育事情を展望する。

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(写真=アフロ)

 米国、英国、ドイツ、フランス、中国、韓国の主要6カ国と、日本の教育・就職事情を比べてみた。このうち日本に最も近いのが、英国だ。大学1、2年生から企業のインターン生として働き始め、職場で評価されれば採用内定が得られる。会社側は半人前の状態で学生を青田買いしているわけだ。学生が大学で身に付けたスキルではなく、潜在能力を重視し、手厚いOJTで企業人として育てている点は日本と同じだ。

 もっとも英国の雇用流動性は日本よりも高い。勤続年数が10年以上の従業員の比率は日本が44.5%なのに対して、英国は31.6%だ。終身雇用を前提に、社内でしか通用しないゼネラリストを育てがちな日本企業のOJTとは異なり、英国企業は他社でも通用するスペシャリストを育てているようだ。

米独仏はスウェーデン型に近い

 大学で、企業の即戦力となるスペシャリストの育成に取り組んでいるのがドイツやフランスだ。両国では、職種ごとに取得すべき学位が細かく決まっている。法律関係の仕事に就きたければ法律関連の学位を、商業関係の仕事なら商業関連の学位を取得していることが必須となる。大学で一般教養は教えず、ひたすら実学の講義が続く。PART2で見てきたスウェーデンの大学と基本的に同じで、大陸系の欧州諸国に見られる共通の特徴といえる。