動き始めた評価制度見直し

 問題は総合職だ。関係者は語る。「リーマン・ショックまでは拡大路線が続き、働いていなくても職場の中で隠れていられた。最近はそうはいかず、中高年の『働かない層』が目立ち始めた」

 5月13日に豊田社長が日本自動車工業会の会長として発言した以下のコメントも、こうした50代問題の文脈で読むと違う景色が見えてくる。

 「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」

 トヨタ社内には「業界の課題としての一般論」との見方がある。だが、「だぶつく50代を意識しての発言」(トヨタから50代後半で転籍したグループ会社社員)と見る向きも少なくない。

 「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ」──。

 奥田碩元社長のこの発言に象徴されるように、トヨタは終身雇用の象徴的存在だった。そのトヨタですら、もはや変わらざるを得ないということか。

 もっとも豊田社長は「我々のビジネスモデルも変えなければならない」「瀬戸際の時代だ」など、トヨタの現状を厳しく表現する発言を繰り返している。自動運転や電動化などを表す「CASE」や、次世代移動サービス「MaaS」などの新しい概念が自動車業界を揺さぶっており、危機感を社内に共有するのが狙いとされる。

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この記事はシリーズ「トヨタも悩む 新50代問題 もうリストラでは解決できない」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。