貨幣には様々なモノが使われてきた。その歴史には人類の試行錯誤がうかがえる。ただ、その価値の裏付けは変わりゆく。皆が「価値がある」と信じればお金となる。
貨幣の起源はこれまで、物々交換が進化した仕組みを始まりとする説が有力とされてきた。ただ、近年では人類学などの観点から物々交換による経済は存在しなかったという主張も出ており、はっきりとは分かっていない。
誕生後の流れを見ると、貨幣という「モノ」を使って価値交換の仕組みを作り上げてきた人類の試行錯誤がうかがえる。世界最古の鋳造貨幣として記録に残っているのは、紀元前7世紀にリディア王国で作られた「エレクトロン貨」だ。主に軽量で持ち運びやすく、数えやすいものが貨幣として使われてきた。金や銀、銅などの金属が利用されることが多く、紙幣は10世紀ごろ中国で誕生した。
大航海時代を経て、人間の活動範囲が海を越え、貿易が活発になってくると、人々は金を裏付けとした通貨を使い、価値の安定を図るようになった。これが金本位制だ。求めに応じて金に交換できる兌換(だかん)紙幣が流通するようになる。こうした通貨制度は英国を中心に発達した。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り570文字 / 全文1060文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「リブラ・インパクト お金と国の進化論」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?