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文革が寛容さの原点

 文化大革命。毛沢東が主導したこの運動で、やり玉に挙がったのはエリートである知識層だった。多くの知識人が顔を黒く塗られ、後ろ手に縛られて見せ物にされ、首に看板をかけられ、自分の人生を糾弾される。そのような強烈な「思想改造」を迫られた人々の中に教師だった任氏の両親もいた。

 重慶にいた任氏が直接、攻撃の対象となることはなかったが、家族を襲った不条理が任氏の人生観を大きく揺さぶったことは間違いない。

 任氏は後に文化大革命を振り返り、こう記している。