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 一つは労働強化だ。デフレ不況に対応するためのリストラと採用縮小で、現場のマンパワーが枯渇。企業は非正規社員の雇用で事態を乗り切ろうとしたが、その結果、業務の責任は一部の正社員に集中するようになった。

 大卒ホワイトカラーを襲ったもう一つの環境変化は、仕事の高度化だ。とりわけこの10年、少なくとも大企業では、仕事の大半を占めていた定型的業務が急減した。IT化やAIの出現、市場環境の変化などを受け、社員は“本当に創造性の高い業務”ばかり要求されるようになりつつある。

 米ラストベルトの白人の元・中流層ほどではないにせよ、日本の大卒ホワイトカラーも平成の30年で急激な環境変化に見舞われていた、というわけだ。厚労省によると、うつ病などの気分障害で医療機関を受診している総患者数は18年で127万6000人。1996年の43万人から、20年余りで3倍に増加した。その要因の一つに、大卒者の職場環境の変化があるのは疑いない。