医薬品の高額化を促す技術革新。これまでの低分子化合物による医薬品とは明らかに造り方は違う。バイオ医薬品、遺伝子治療、細胞医薬──。イチから分かる最先端の医薬品。

低分子化合物
飲み薬にも適し、今も薬の大本命
<span class="fontBold">化学反応によって作られる低分子化合物の工程は、基本的に化学工業と同じ</span>(写真=Fotogloria/Getty Images)
化学反応によって作られる低分子化合物の工程は、基本的に化学工業と同じ(写真=Fotogloria/Getty Images)

 分子量が500ぐらいまでの小さな化学物質を指す。注射が必要なものもあるが、腸で吸収される飲み薬や、皮膚からの吸収に適した医薬品として普及してきた。最先端分野のバイオ医薬品や遺伝子治療などは注射での投与が必要だから、低分子化合物は手軽な「お薬」といえる。

 化学反応を利用して製造するため、製薬産業は化学工業をベースに発展してきた歴史がある。日本の武田薬品工業もかつて、英文社名を「Takeda Chemical Industries」としていた(現在はTakeda Pharmaceutical Company)。

 日本では明治時代後半以降、有機合成化学の研究が大きく発展したことなどを背景に数多くの製薬企業が設立された。1961年に国民皆保険制度の導入などで市場も拡大。メバロチンやガスター、タケプロンなど、日本生まれで、グローバルで売上高トップ10入りするような医薬品も生み出してきた。化学合成で造れる医薬品はほぼ出尽くしたという声もあるが、医薬品の大本命は低分子化合物であるという意見も根強くある。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1490文字 / 全文2057文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「医薬品はなぜ高い?」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。