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長く消費者に親しまれ、知名度もある定番商品が次々に販売終了を迎えている。理由は市場縮小やPBの台頭だけではない。利益率重視の経営で継続が難しくなった。懐かしの商品が消える動きは今後も続きそうだ。

菓子を中心に販売終了、縮小が相次ぐ
●直近3年間で終売を決めた定番商品
(写真=左から3点:共同通信)

 PROLOGUEで取り上げたように、プロダクトライフサイクル(PLC)には通常、衰退期があり、ヒット商品でも販売を終了する動きは珍しくない。ただ、この2年ほどは、消費者に長く親しまれ、知名度も高い製品が終売となったり、販売地域を絞ったりする動きが集中している。スマートフォンやSNSに人々が依存する時代。今夏に生産を終える森永製菓の「チョコフレーク」や2017年に販売エリアを西日本に絞った明治の「カール」は、食べる際に手が汚れ、スマホにそぐわないと分析された。

 しかし、江崎グリコが18年に終売したガム「キスミント」、19年3月に生産終了したデザート飲料「ドロリッチ」と、手が汚れない商品も多く、スマホ浸透のような世相の変化というだけでは説明できない。いずれも販売不振に陥り、終売を決めたころのチョコフレークは5年前に比べて売り上げが半減していた。工場が老朽化し、更新投資を回収できないと判断した企業で販売終了が相次いでいる。

「惜しまれるもの」の価値

 食品関連で定番との評価を得た商品には逆風が吹きやすい。人口減少で市場が伸び悩むだけではない。大都市の一家4人の世帯モデルが崩壊し、家族で食べることを想定した大袋タイプの定番商品から消費者が遠のいている。コンビニやスーパーなどの小売りで再編が進んだ影響も大きい。巨大チェーンはPB(プライベートブランド)商品に力を入れ、POS(販売時点情報管理)をフル活用して知名度に関係なく、売れ筋商品を並べる。