「顧客との電話対応をAI(人工知能)に任せた」「AIで需要予測に成功した」……。他社の発表を見て、ブームに乗り遅れまいとする経営者が産業界で後を絶たない。「うちも入れるぞ」とハッパを掛けた結果生まれるのが、「使えないAI」だ。性能不足や高い費用、責任論……。行く手には「失敗の法則」が数多く横たわる。理想と現実のギャップを直視できる経営者であれば、失敗を回避できるはず。思慮深い経営判断の先に、AIの果実はぶら下がる。しかし「日本の経営者は勉強しようとしない。バブルに踊っているだけだ」失望を隠さないAI研究の第一人者の嘆きに、まずは耳を傾けてみよう。

編集委員 多田 和市、吉野 次郎、高槻 芳、竹居 智久、奥平 力、 広野 彩子)

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日経ビジネス2019年5月20日号 24~25ページより目次