世界で広がりを見せるMaaS。どこにビジネスチャンスは広がっているのか。MaaSビジネスを「因数分解」してみると、次の3要素が浮かび上がる。移動データを集め、解析し、使う──。チャンスはここにある。

世界でデジタル地図を巡る攻防が激しくなる
●世界の地図サービス会社の相関関係
世界でデジタル地図を巡る攻防が激しくなる<br><small>●世界の地図サービス会社の相関関係</small>
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 様々な移動サービスを統合して利便性を高めるMaaSは、PART2で見たフィンランドのマース・グローバルのような「MaaS事業者」だけが担い手ではない。MaaSは様々な技術やノウハウを注ぎ込まなければ実現しない。

 まず、必要になるのが移動データだ。人やクルマなどのモビリティーが今、どこにいて、どう動いているのか。個人が持ち歩くスマートフォン(スマホ)からもある程度は移動情報は拾えるだろうが、自動運転車などより高度な移動手段を実用化する上では、より精緻な仕掛けが必要になる。さらに、こうした情報をリアルタイムに解析するところにも商機はある。

 さらに肝心なのは、こうして集めて解析したデータをどう活用するかだ。アイデア次第で、人やモノの移動に革新を呼び込み、新市場を立ち上げることも不可能ではない。

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この記事はシリーズ「移動革命MaaS 世界が狙う新市場」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。