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デジタル技術を使って移動の効率化を目指すというMaaS。世界はもう動き出している。一体、何ができて、どんな効果を生み出すのか。米国と中国の先進地を例に解き明かす。

ロサンゼルスの市街では地下鉄の駅にシェア自転車のドックがある(左上)。ブルーLAはEVに特化したシェアカー(右上)。スクーターは若者に人気だ(左下)。空港に用意されている配車サービス向け待ち合わせスペースは常に人であふれている。30分以上待つことも(右下)

 「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)を取材するならロサンゼルスへ行け」。米国の交通事情に詳しいある専門家に助言され、記者はロサンゼルスに飛んだ。ところがそこで最初に目にしたのは、MaaS先進地と呼ぶには程遠いロサンゼルスの姿だった。

 空港に着いて米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズのアプリを開いて配車を依頼するも、なかなかドライバーが依頼を受けてくれない。周囲を見渡すと、同じようにスマホの画面を凝視し、繰り返しタップする人が大勢いることに気づいた。つかまらないのは、一度にたくさんの人が同じ場所から依頼していたからだった。