新紙幣に登場する渋沢栄一は明治の終わり、「その分を尽くして得たる報酬が人間最高の道」と説いた。大正・昭和・平成の3時代を経て、日本企業が支払う給料は働き手をその道に導いているだろうか。処遇の仕方に工夫を重ね、もっとやる気を引き出す仕組みを作る──。シニアが生き生きと働ける枠組みを整え、若手にも報いる手法を探る動きが始まった。戦後最長の景気に影が差し始めた今だからこそ、「企業も経済も強くする給料」が必要になっている。

(吉野 次郎、山田 宏逸、広田 望、神田 啓晴)

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日経ビジネス2019年4月22日号 28~29ページより目次