破滅まではなさそうだが、大きな果実を得るのは容易でない──そんな現代版起業。それでも失敗した人も含め、挑戦を勧める起業経験者は少なくない。起業経験は今の時代を生き抜く上で様々な力を与えてくれる、というのが彼らの主張だ。

 PART1に登場した神尾隆昌氏。スマホ向けの写真投稿アプリを開発してアジアでヒットさせ、7億円の資金を集めながら挫折したこの起業家の話には、まだ続きがある。

 2016年5月に事業を停止した後、神尾氏はシンガポールに向かった。現地の大学で実施されたアジア経済に関する教育プログラムに参加するためだ。当時は敗戦処理に追われる日々だったが、頭を切り替えて自分を見つめ直す良い機会だと考えた。

 そこで神尾氏はある人物に出会う。後藤玄利氏。00年に医薬品ネット通販「ケンコーコム」を立ち上げた有名実業家だ。後藤氏は楽天の子会社となったケンコーコムの社長を14年に突如辞任した後、長い充電期間に入っていた。

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