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一度、失敗すると最悪の場合、信用も資産も家族も失い、再起の道も閉ざされる──。昭和から平成にかけて起業環境が変わり、今は事業に失敗しても簡単には破滅しない。だが無傷ともいかないのが起業。起業失敗者6人がそれぞれのストーリーを語る。

 東京・五反田の雑居ビルから帰る道すがらの外苑西通りで、涙があふれ出した。社員も家族も失い、無一文になった自分。酒に溺れ、自分が潰した会社の残務処理をするだけの日々が続く。「ただただ悲しさと悔しさをかみ締めていた」。最盛期には年間400億円を売り上げながら2009年に事実上の倒産に至った不動産企業、エスグラントコーポレーションの元社長、杉本宏之氏はこう話す。

レバレッジ経営で杉本氏(左下)の会社は急成長したが、リーマン・ショックで失速した(写真はイメージです)(写真=PIXTA)

 別の不動産会社に勤めていた杉本氏が脱サラ起業したのは01年のことだ。起こしたのはデザイナーズワンルームマンションに特化した不動産販売。当時のワンルームは16~18m2が主流で20m2以上の高級ワンルームは珍しく、需要があると読んだ。