透明化なき執行を生んだ経営陣は一新すべきだ
青山学院大学名誉教授
八田進二氏
青山学院大学名誉教授<br/><span class="fontSizeL">八田進二氏</span>

 今回の事件は企業統治における多くの課題を浮き彫りにした。その一つが役員の報酬決定プロセスだ。役員報酬は株主総会から総額の承認を受けた取締役会が決める。社長一任となるケースも多いが、取締役会には株主総会での説明責任がある。

 日産の取締役会はカルロス・ゴーン氏の報酬の詳細すら把握せず、監査役も指摘しなかった。取締役会、監査役会が本来の責務を放棄したことでガバナンスが緩くなり、ゴーン氏に付け入る隙を与えた。

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