空前の人材難といわれる今も、過不足なく人を確保している企業は実在する。共通するのは、どこかに偏在している人間を上手に探し出し、効率よく育てていることだ。そんな先進企業の事例から、今の時代に人を集めるための方法を考える。

 松山市から車で南に2時間ほどの距離にある愛媛県愛南町。松岡裕子さん(49)が、結婚と同時に今治市から夫の故郷であるこの地に移り住んできたのは10年前。以来、専業主婦として子育てに専念してきた。

 夫は砂利運搬船の乗組員として全国を回っており、家を留守にしがちだ。このため自分も働きたいと長年思ってきたが、都市部から離れた場所とあって、就職口は少ない。「自分の年齢でも働ける職場は土日出勤が必要なスーパーの店員などだけ。週末は子どもの世話があるから、仕事に就くのはあきらめていた」と話す。

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