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 5G時代の戦略商品として打ち出した折り畳みスマホも切り札にはならないようだ。サムスンは販売目標を明かさないが、部品大手など関係者の話を総合すると、年間100万台程度。サムスングループの有機EL部門の元幹部で、韓国の調査会社、UBIリサーチの李忠壎(イ・チュンフン)CEO(最高経営責任者)は「端末の形状に合わせたアプリやコンテンツなどエコシステム(生態系)が構築できていないため慎重になっている」と指摘する。

 20万円超という価格で量をさばくのはそもそも難しい。一方でサムスングループは、ファーウェイの折り畳みスマホにも有機ELを供給しているとみられる。エコシステムの拡大を中国勢に託しているようにも映る。

 中国勢の追い上げを受けるのはスマホだけではない。テレビや液晶など、サムスンやLGが強みにしてきた事業の多くが脅威にさらされている。下の円グラフにあるように、5年前に比べて韓国勢のシェアは中国勢に奪われている。市場が急拡大する車載電池でも、中国・寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)の後塵を拝している。

 とりわけ厳しさを増しているのが液晶、有機ELなどのディスプレーだ。00年代に中国ディスプレー各社は液晶への大型投資を進めた。テレビ用液晶では京東方科技集団(BOE)が台数ベースの世界シェア首位、金額ベースでもサムスンに次ぐ3位だ。サムスンやLGも液晶テレビに中国製ディスプレーを多く採用している。UBIリサーチの李CEOは「サムスンは製造ラインの有機ELへのシフトを加速するなど、液晶撤退も視野に入れ始めた」とみる。

中国企業に押される韓国勢
●韓国企業の主力事業の市場シェア
(カッコ内の数字は2014年からの増減。▲はマイナス)
出所:SNEリサーチ
出所:IDC
出所:IHSマークイット
出所:IHSマークイット
出所:IHSマークイット
出所:IHSマークイット
出所:IHSマークイット
シェア割合は四捨五入しているため、合計が100にならないものがある。