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日本が国を挙げて推し進める働き方改革は必ずしもベストな人生につながるとは限らない。「ワークライフバランスを極める」「“好き”を仕事にする」──。世間で当たり前のように信奉されてきた「2大幸せな働き方」の理想と現実を考える。

現実 ワークライフバランスを
極めるのは難しい

 北欧のデンマークは、経済協力開発機構(OECD)で最もワークライフバランスが進んでいる一国といわれる。そのバランスがいかに優れているかは、首都コペンハーゲンのIT企業で働く37歳の男性、ヘンリク・ペデルセン氏の働きぶりを見てもよく分かる。

デンマークでは多くの人が午後4時に仕事を終え、プライベートを満喫する(写真=アフロ)

 ペデルセン氏の勤務時間は毎日朝8時から午後4時まで。女性もほとんどフルタイムで働く国とあって、妻と共働きで2人の子供を育てるには「4時に帰らないと家庭生活が回らない」のだという。帰宅後は、家事が終わり次第、子供の教育や自己啓発など私生活を存分に楽しむ。それでいて年収は1050万円。妻の収入と合わせると2人の子を育て、趣味を楽しむには十分な金額だ。