日経ビジネス50年の軌跡は、企業事件を追い続けた歴史でもある。長期にわたって深く取材することで、失敗の本質を突き止める。そして1976年、看板コラム「敗軍の将、兵を語る」をスタートさせ、敗者の声を綴り続けた。その数、およそ1400人。敗戦の荒野に目を凝らせば、「至極の経営訓」が散らばっている。これから、敗者の物語を始めよう。すると、失敗に学んだ者が、再び歴史の表舞台に戻っていることが分かる。その時、敗者は「強者」に変わっている。
(寺岡 篤志、武田 安恵、津久井 悠太、編集委員 金田 信一郎)