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アクティビストと呼ばれる物言う株主が存在感を増している。彼らは経営陣を突き上げて、株主還元や再編を求め、株価を引き上げようとする。こうした外圧に端を発したM&Aが増え、対抗しようとする動きも広がっている。

(写真=左から:ポール・シンガー氏:Bloomberg/Getty Images、村上世彰氏:朝日新聞社、ダニエル・ローブ氏:Bloomberg/Getty Images、カール・アイカーン氏:ロイター/アフロ、セス・フィッシャー氏:Bloomberg/Getty Images)

 「(買収は)難しくなった」。富士フイルムホールディングスの古森重隆会長は昨年末、日本経済新聞のインタビューで答えた。かねて計画する米事務機器大手ゼロックスの買収に対し、同社の大株主で物言う株主として知られるカール・アイカーン氏らの猛反対に遭ったからだ。アルプス電気とアルパインの経営統合でも大株主の香港ファンド、オアシス・マネジメントが反対し、一般株主を巻き込む大キャンペーンを繰り広げたのは記憶に新しい。

 会社が計画したM&Aに異議を唱えて頓挫させるケースが目立つ最近のアクティビストは、M&Aを引き起こす存在でもある。日立製作所によるスイスABBの送配電事業買収の裏にもアクティビストがいた。ABBの大株主である投資ファンドが経営陣に、他の事業より利益率が低い送配電事業を売却しろと迫ったことがきっかけだった。