売上高を追わず、事業領域を絞る「選択と集中」がグローバル経営の潮流になっている。資本効率を高めるため、たとえ黒字でも低採算なら事業を売る動きが広がってきた。持っていても困りはしないが、思い切って切り離すさまは、まさに“断捨離”だ。

<span class="fontBold">日立は建機など優良なグループ企業を多く抱えている</span>
日立は建機など優良なグループ企業を多く抱えている

  「日立詣では欠かせないよ」。投資ファンド業界に人脈を持つ外資系証券マンは、2019年も日立製作所に注目している。日立が売却する案件をいち早くつかみ、買い手となりそうな投資ファンドに持ち込んでファイナンシャルアドバイザー(FA)として雇ってもらうためだ。

 日立物流、日立キャピタル、日立工機、日立国際電気、そしてクラリオン。日立は近年、名のあるグループ企業の株式を次々に売却してきた。18年12月にはハイブリッド自動車(HV)などに使うリチウムイオン電池事業も官民ファンドのINCJとマクセルホールディングスに売却すると発表した。売上高ではなく利益率を優先し、コア事業に該当しないと判断すれば売却もいとわない。東原敏昭社長は21年度に営業利益率10%の目標を掲げ、国内外で900あるグループ会社を500社程度まで減らす方針を掲げている。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4291文字 / 全文4803文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「特集 2019年 M&A大予測」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。