2022年8月29日号
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PART1
【穀物】輸入依存の調達リスクが露呈 対岸の火事ではない ウクライナ農業危機
国内食品会社による値上げは、年内に2万品目を超える見通しだ。農産物の過度な輸入依存構造により、国際情勢と円安の二重苦にあえぐ。輸入小麦の価格抑制に税金を投入。国産振興との矛盾も抱える。
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PART2
【酪農】コスト上昇と需給がアンバランス 牛乳は余っても値上げ 高い和牛の子牛は安い
コロナ禍で外食や学校向け需要が減ってしまい、社会問題にもなった牛乳。それでも国産の貴重な栄養源だが、餌は輸入に頼り、供給コストが急上昇。生き物なので乳量の制御は難しい。酪農業と乳業は板挟みになっている。
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PART3
【魚介類】不漁、燃料高、ロシア問題 漁業者を襲う「三重苦」 水産大国見る影もなく
好漁場に囲まれ、かつて「水産大国」だった日本が恒常的な不漁にあえぐ。乱獲や気候変動の要因などにより漁業・養殖業の生産量が激減した。ウクライナ問題による日ロ関係の悪化も漁業関係者に暗い影を落とす。
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PART4
【野菜・果実】ポンジュース用ミカンの悲哀 もはや「絶滅危惧」農家 高付加価値どう売るか
従事者の減少が止まらない日本農業を象徴するのが果実分野だ。生産が縮小するミカンの小売価格は10年で3割上昇し、もはや嗜好品。国産品を維持・復興するには、小売業やECと組んだ商流確保もカギになる。
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PART5
「食のリスク削減」へ3つの提言 内向き発想をやめよ JAは改革の先導者に
輸入農産物の確保が不透明な時代に突入。最低限の自給率は必要だ。信頼できる国との関係を深めて貿易量を維持。日本からの輸出も強化する。大規模生産者と中小営農者とのベストバランスを探り、農協も動くべきだ。
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校了乙
8月29日号特集「瀬戸際の食料」を担当記者が解説
日経ビジネス8月29日号特集「瀬戸際の食料 戦争と円安が日本を追い詰める」の読みどころを、担当した小太刀久雄記者が3分間で解説する。