2022年1月24日号
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PROLOGUE
日本に必要なのは中興の祖だ
「寅(とら)千里を走る」──。相場格言の通り、2022年の日本経済は疾走するか。大発会の1月4日、東京株式市場で日経平均株価は21年末比510円(2%)高の2万9301円で取引を終えた。大発会での値上がりは4年ぶりだ。21年9月以来の3万円台復帰を期待する声は多い。ただ、長いスパンでみると、1989年末に付けた史上最高値(3万8915円)は遠い。
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PART1
「失われた30年」に輝いた経営者たち 首位・信越化学金川氏 大胆な改革で活路開く
1990年以降で中興の祖と呼べる名経営者は誰か。時価総額の伸びに基づくランキング首位は信越化学工業の金川千尋氏だ。リーダーたちは逆境を物ともせず、大胆な改革を推し進めて成長への活路を切り開いた
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COLUMN
まだまだいる中興の祖 未来の中興の祖は誰だ
今回の中興の祖ランキングには名を連ねなかったものの、記憶に残る名経営者はまだまだいる。強力なリーダーシップで会社を大胆に変革し、急成長や窮地からの復活をなし遂げた人々だ。日経ビジネス記者が座談会形式で彼らの功績とエピソードを振り返る。
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PART2
中興の祖になれなかった東芝、シャープの社長 社員を路頭に迷わせる先を読み誤った挑戦者
「失われた30年」の間に、東芝やシャープの社長はリスクを取って、惨敗した。対照的に大きな成果を残した信越化学やダイキンの経営者と比べ何が足りなかったのか。中興の祖になれなかった者たちの挫折から、産業史に足跡を残す経営者の条件を探る。
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COLUMN
吉宗、鷹山…… 改革者は 傍流から
企業経営において中興を成し遂げたリーダーを見てきたが、歴史上の中興の祖となると、どんな人物を思い浮かべるだろうか。東京大学史料編纂所の本郷和人教授に話を聞いた。
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EPILOGUE
人事戦略5カ条、中興の祖を育む
理想をいえば、企業の経営は右肩上がりが望ましいが、浮き沈みがあるのが現実だ。むしろ逆風に見舞われたときにこそ、その企業と経営者の真価が問われるともいえる。難局を乗り越えて再び企業を成長軌道に乗せた人物が中興の祖とたたえられるのは、人々がその経営者の優れた才覚を認めた証しだ。