2022年1月17日号
-
PROLOGUE
北京五輪の内憂外患 交錯する中国の自信と不安
北京冬季五輪・パラリンピックの開幕まで1カ月を切った。中国が国家の威信をかけるイベントで、米国は外交的ボイコットを発表。世界を揺るがす巨大国家となった中国はどこへ向かおうとしているのか。
-
PART1
衰えない中国投資、統計から見える米中対立の真実
中国の台頭で米国との対立は先鋭化し、地政学的な分断が加速している。だが、民間経済におけるお金の動きはその逆の流れを示している。矛盾をはらみながら成長を続ける巨大市場にどう向き合うべきか。
-
PART2
恒大集団創業者、激動の半生 危機続く中国不動産企業
中国の不動産大手、中国恒大集団が事実上デフォルトした。急成長した中国経済の中核とも言える不動産産業で何が起きているのか。恒大創業者である許家印氏の激動の半生から読み解く。
-
PART3
狙われる塾、ゲーム、インフルエンサー 統制強化は経済を「殺す」か
統制強化で揺れるのはPART2で見た不動産業界だけではない。社会主義的価値観への揺り戻しにあらゆる業界が戦々恐々としている。極端な価値観の変更は経済成長の原動力を破壊しかねない。
-
PART4
社会主義回帰に負けない 統制下でも成長狙う中国企業の「対策力」
党や政府による統制が強まる中で、企業の活力をいかに維持するのか。中国の各産業はあの手この手で生き残り、成長しようともがいている。巨大市場で党や政府への「対策」を模索する中国企業の生命力は強い。
-
EPILOGUE
実は中国にも直接選挙はある 経済的繁栄巡り強権の裏で綱引き
2021年11月中旬、上海市内の路上では、テーブルの上に赤い箱が置かれ、近隣住人と思しき数人が集まっていた。5年に1度実施される、上海市内の行政区の議会に当たる人民代表大会の選挙だ。区の人民代表は上海市の代表を選び、上海市の代表は毎年3月に開催される全国人民代表大会(全人代)の代表を選ぶ。