2021年12月20日号
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PART1
LIXIL瀬戸社長の憂い 皆で幸せになるため雑巾絞りから脱却を
世界経済の正常化でモノの需要が一気に膨らみ、原材料価格や物流費を押し上げている。乾いた雑巾を絞るようにただコストを削るだけでは企業も働き手もいずれジリ貧になってしまう。「コストを下げてもうける発想と決別しよう」。大手企業を率いる一人の経営者が声を上げた。
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PART2
iPhoneが高根の花に 物価の上がらない国 モノもヒトも「買い負け」
世界の物価上昇の潮流から置き去りにされ、購買力を失いつつある日本。慣れ親しんだ商品に手が届かなくなる一方で、海外資本はお買い得な日本を買いあさる。「日本は貧しい人たちの出稼ぎ先」。日本を去ったベトナム人技術者の言葉が重く響く。
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PART3
「円安富国論」はもう通用しない アベノミクスが暴いた 経済停滞の深層
日本経済にとって為替の円高は悪、円安は善としてきた「円安富国論」が揺らいでいる。アベノミクスで円安に振れても国の成長は停滞し、日本人は相対的に貧しくなった。輸出立国・日本の繁栄を支えた勝利のシナリオが機能しなくなったのは、なぜなのか。
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COLUMN
「ガリガリ君」安さ追求への執念 10円の値上げ、 議論は2年越し
フォークシンガーの故・高田渡さんの楽曲、「値上げ」が流れる中、神妙な面持ちの社長と社員が一斉に頭を下げる──。2016年4月、アイス専業メーカー、赤城乳業(埼玉県深谷市)のおわび広告が話題を呼んだ。
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PART4
さくら水産、脱「ワンコイン」で店に活気 知恵と技術で価値創造 脱デフレ、企業がけん引
ちょっとばかり高くても、顧客に飛びついてもらえるような製品やサービスを生み出す──。デフレ経済の閉塞感を打ち破ろうと、こんな課題に挑んだ企業が成果を出し始めた。金融緩和だけでは物価も賃金も上がらない。逆境からはい上がる鍵は企業の知恵と技術だ。