2021年12月6日号
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PROLOGUE
繁華街も観光地も 戻りつつある「3密」の日常
「第5波」を越えて感染者数が急減した日本。コロナ禍が過ぎ去ったかのような空気が流れ始めた。飲食店はほぼ通常の営業体制となり、繁華街や観光地もにぎわいを取り戻しつつある。ただ、これほどの感染縮小の理由ははっきりしない。それは、次なる危機と隣り合わせという意味でもある。
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DATA
こんなに違う各国のコロナ感染状況 ワクチンだけでは説明できず
世界各国の感染状況を詳しく見ると、「ワクチンの接種率が上がれば新規感染者は減る」という単純な図式では説明できないことが見えてくる。ここで示したのは、人口100万人当たりにそろえた各国の新規感染者数と死者数の推移。ワクチン接種が進んでも感染が収まらない国もあれば、むしろワクチン接種が進んでから感染が拡大した国もある。最新の新規感染者数や死者数で見ると、米国や英国、ドイツなどに比べて2桁小さい日本が際立つ。
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PART1
くすぶる感染の火種 第6波に戦々恐々
感染者数が急激に減ったものの、集団感染も散発している。行動変容にワクチン接種。感染防止はつまるところ個人に頼らざるを得ない。第6波はいつ、どれほどの規模でやってくるのか。自治体の苦悩は続く。
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PART2
治療薬とワクチン 「脱コロナ」の武器に
ワクチンの登場が、日本の新型コロナ感染の急減に貢献したとみられる。ただ、コロナ禍から完全に抜け出すには治療薬の充実も欠かせない。手軽に服用できる飲み薬の登場が新型コロナとの闘い方を変えそうだ。
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INTERVIEW
1つぐらいは日本製で パンデミックへの備えを
新型コロナ感染症向けの経口治療薬やワクチンの開発を急ぐ。その視線はいつか来る次のパンデミック(爆発的感染)を捉えている。国のワクチン備蓄についても司令塔の不在を解消するよう提言する。
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PART3
地域の独自対策生かし 医療ガバナンス構築
約2年に及ぶコロナ禍で、一部の地域は独自の仕組みを構築している。徹底した効率化を図る神奈川県、地方の特性を生かす和歌山県……。第6波に備え、国と地方の医療ガバナンスを作り直す時だ。
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INTERVIEW
病床3割増に飲み薬 第5波の課題乗り越える
新型コロナ第6波対策は、第5波で分かった課題を乗り越えるためという。確保した病床を必ず稼働させる病院との契約など具体策にも踏み込む。国の医療ガバナンスを強化する法改正は検討段階。慎重な動きだ。