2021年10月25日号
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PROLOGUE
溶ける軍民の境界線 分断で苦境に立つ日本
中国が台頭する中、あらゆる産業が防衛と無縁とは言えなくなりつつある。そんな中、防衛産業が苦境にある。技術革新の源泉でもあるこの産業を守る方法はあるか。
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PART1
防衛タブー視のツケ 静かに消えていく企業
日本の国防を支えてきた多くの企業がひっそりと防衛の分野から手を引いている。顧客は限られ、輸出も難しく低収益が常態化していて、継続が難しいからだ。厳しい現実を直視することが、日本の未来のための第一歩だ。
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PART2
次期戦闘機「国産」主導で発進 名を捨て実を取れるか
日本が2035年ごろの配備を目指す次期戦闘機「F-X(F-3)」の開発が始まった。防衛装備庁や主幹メーカーの三菱重工業にとっては悲願の「国産主導」の開発となる。だが、F-Xは高度なシステムの固まり。自前にこだわりすぎれば“離陸”が危ぶまれる。
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PART3
イージス・アショア配備停止の波紋 「買い物」の目利き重要に
2020年、陸上配備型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の計画が停止した。その後、洋上への転用が決まったものの、経費はさらに増えそう。必要な装備品は買うべきだが、費用対効果なき予算の膨張は国内防衛産業も苦しめる。
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EPILOGUE
「異形の産業」を脱却 防衛が日本経済を救う
特殊とみられがちな防衛産業だが、半導体産業などと共通の課題を抱える。「異形の産業」からの脱却は、日本の産業全体を活性化させるヒントになり得る。