2021年10月4日号
-
PROLOGUE
市場再編ショック、地方に波及 「上場ゼロ」長崎が示す未来
東京証券取引所の市場再編では、1部に相当するプライム市場の基準が引き上げられる。上場企業がゼロの長崎県は、若者の流出が激しく、スタートアップも少ない状況が続く。地方の経済界では、市場再編で上場企業が減る影響を懸念する声が広がる。
-
ゼロから分かる東証市場再編
東証1部に上場する企業は2188社(9月24日時点)、東証2部、マザーズ、ジャスダックを合わせると国内の上場企業は計3739社(同)。来春に4市場は「プライム」「スタンダード」「グロース」に集約され、上場企業はどの市場に上場するかを選択する。東証1部企業は上場企業全体の58%を占め世界の主要市場と比べて企業数が多いと指摘されている。再編によって、各市場の役割を明確にする。東証1部相当のプライムは基準を厳しくし海外から投資を呼び込む狙いがある。
-
PART1
東証プライム市場残留へ 水面下のドタバタ劇
流通株式時価総額などの基準をクリアしているかどうかは、上場企業へ通知済み。特にプライム市場当落線上の東証1部企業は生き残りをかけて必死だ。突き付けられているのはこの問いだ。その市場になぜこだわるのか──。
-
独自DATA(1)
日経ビジネス独自調査 プライム市場残留基準、当落線上の300社
今後、市場の選択や資本政策などで動きのありそうなプライム市場の当落線上の企業はどこか。日経ビジネスはQUICKのデータをもとに、3つの基準についてそれぞれ100社、合計300社を割り出した。以下に一挙公開する。
-
PART2
スタートアップで広がる「さらば上場ゴール」 成長の最適解多様に
晴れて上場企業になりたい。その強い思いは、多くのスタートアップ企業も同様だ。ただここにきて、早期の上場を目的にする「上場ゴール」を避ける動きも出てきた。上場は目的でなく手段。資金調達環境の改善もあり、そんな考えが浸透している。
-
PART3
「社外取締役インフレ」時代、対話の力が競争力に
市場再編は「社外取締役インフレ」をもたらすが、効果を引き出すのは容易ではない。形だけの企業もあれば、社長1人で社外8人と対峙する経営で伸びる企業もある。 「対話の力こそが企業競争力」となる時代へ。東証の改革はそのスタートラインだ。
-
独自DATA(2)
「行列のできる」社外取締役一覧
市場再編に伴うガバナンス強化の動きにより、社外取締役の増員と多様化が求められる。では現状、どのような人物が社外取締役、社外監査役として人気を集めているのか。東証1部企業での兼任数から「行列のできる」社外取締役一覧を作成した。