2021年3月8日号
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PART1
2050年カーボンニュートラルへ 押っ取り刀の決意表明 いばらの道、視界不良
欧州、中国などに先を越され、日本は遅まきながら炭素中立目標を宣言した。気候変動の名を借りた国際競争に勝つため、菅義偉首相は反転攻勢に意欲を見せる。ハードルは高いが、全力で挑まなければ成長市場で致命的な敗北を喫しかねない。
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INTERVIEW
小泉進次郎・環境大臣に聞く 「日本はガラパゴスへの道をぎりぎりで踏みとどまった」
2月19日、G7(主要7カ国)首脳によるオンライン形式の会議が開かれたが、もし昨年の菅総理のカーボンニュートラル宣言がなかったら「G7の中で唯一カーボンニュートラル宣言をしていない国」になるところだった。働きかけをしてきてよかった。
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COLUMN
脱炭素社会を読み解く 用語解説
パリ協定 2020年から始まった地球温暖化対策の国際枠組みのこと。15年に世界各国の首脳がフランス・パリで合意したためにパリ協定と呼ばれる。
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PART2
夢のエネルギーに悩ましい現実 頼みの綱「水素社会」 立ちはだかる3つの壁
燃やしてもCO2が発生しないため、国が脱炭素の切り札とする水素とアンモニア。だが、価格や供給面の課題に加え、製造段階のCO2が高い壁として立ちはだかる。「夢のエネルギー」をとりまく「厳しい現実」を直視しなければ、水素社会は幻に終わる。
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PART3
主力電源へ果てしない道のり 4500基の洋上風力 30年後へ大風呂敷
2050年に国内の発電電力量の50~60%を担う再生可能エネルギー。けん引役となるのが「4500基」の設置を目指す洋上風力だ。海外の関連メーカーから歓迎の声も上がるが、実現への道筋は見えない。
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PART4
先行する欧州の本音と実力 産業政策で官民一体 「グリーン覇権」の野望
欧州は温暖化ガス削減で先行。温暖化防止政策を整備し関連産業の育成を進めてきた。洋上風力発電や電気自動車などの分野で、欧州企業が世界を席巻する可能性がある。輸入品への「国境調整措置」が導入されれば、日本企業のダメージも免れない。
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PART5
必要なのは変化を恐れないこと 「環境先進国」再び 国は企業をリードせよ
脱炭素への取り組みが不足している企業に対する風当たりは強まるばかりだ。かつて世界をリードする環境技術を生み出した日本にはポテンシャルがある。国は技術とルールのイノベーションを通して、企業を引っ張っていく役割がある。
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編集長インタビュー
梶山 弘志 経済産業大臣 目標は高い、やるしかない
2050年までのカーボンニュートラルは、環境問題にとどまらず産業政策のあり方に関わる問題だ。民間企業や研究機関を巻き込んだ仕組みを構築するため、国は「ジョイント部分」になると言う。産業の土台を強固にするグリーン政策のあり方について、聞いた。
PROLOGUE
時事深層
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