2020年9月7日号
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PROLOGUE
どん底の日本モデル、リセットの時
18年にノーベル経済学賞を受賞したポール・ローマー米スタンフォード大学教授はこう言っている。「危機は無駄にするにはもったいなさ過ぎる」と。日本の衰退をこのまま見過ごすのか。それとも再興のスタートラインにするか。その選択肢は私たちが握っている。
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PART1
生き方再起動 レジリエンスは「個」から
新型コロナウイルスが崩したものの1つが、既存の組織とそこにあった常識だ。社会の先行きは不透明になり、国や大企業すら見通せなくなった。だからこそ必要な「あなたはどう生きたいか」。根本的な課題が「個」に委ねられている。
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COLUMN
コロナが試す地方の自律 「脱・金太郎あめ」の道は
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、各自治体の取り組みやトップの発言が今まで以上に注目を浴びている。政府の感染拡大防止策や、「Go Toトラベル」をはじめとした経済喚起策には不満を示す国民も多い。市民の声を受け止め、国に先んじて最適な手を打つためにも、自治体や地域の主体性が改めて問われている。
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私の提言1
松尾 豊/猪子寿之/坂東眞理子/鈴木孝二
日本全体の人の潜在的能力は高い
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PART2
長期停滞の生産性 どん底で始める大改革
人材を生かすも殺すも企業次第。特に欠かせないのが、サービス産業の生産性引き上げだ。コスト削減と徹底した事業の再構築に加え、デジタル化を産業全体に広げる必要がある。大企業も成長市場に果敢に出て行く開拓者精神が欠かせない。コロナ禍は再生の好機だ。
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私の提言2
関家一馬/大矢恭好/出雲 充/宮内義彦/星野佳路/柏倉美保子/イアン・ブレマー/謝 長廷
日本はまだ力を発揮できる
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PART3
コロナ禍を世代交代の好機に
明治維新に戦後。日本の大きな転換点には必ず世代交代があった。世の中を大きく変えるコロナ禍は、失われた30年でたまった澱(おり)を一掃するチャンスでもある。日本に多様性をもたらす若い世代が「再興」の担い手として名乗りを上げる。
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私の提言3
佐藤裕介/米良はるか/小川 嶺/小林史明
若い世代はコロナ禍をどう受け止めているのか。
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EPILOGUE
スパコン富岳と渋沢栄一の教え 「志本主義」が道を切り開く
今年6月にスーパーコンピューター世界一に認定された「富岳」。日本勢がスパコン性能で首位となるのは2011年の「京」以来だ。理化学研究所と富士通の共同開発は同じだが、富岳の快挙は、京とは少し質が違う。「計算速度で頂点を目指したわけではない。実用性を求め、持てる技術を合わせこんでいった」。開発責任者の松岡聡・理研計算科学研究センター長はそう語る。
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編集長インタビュー
ファストリ柳井氏「変わらねば日本は潰れる」
新型コロナウイルス下こそ、「正しいこと」の追求が重要だと内外に発信し続けているファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。自国ファーストや自社ファーストの風潮に警鐘を鳴らし、目指すのは「本業での社会貢献」だ。このままでは日本が沈むというかねての危機感は、コロナで強まった。