2020年5月25日号
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PART1 米国編
恐慌級の危機が試す、資本主義「本家」の真価
1930年代に米国を襲った大恐慌に匹敵する景気後退期が来るだろう。戦後、世界一の経済大国として君臨してきた米国も5人に1人が失業する事態に。社会構造や産業構造、世界における位置づけはどんな変貌を遂げるのか。
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PART2 中国編
国家丸ごとデジタル化、国民監視と産業振興
新型コロナの脅威に世界で初めて直面し、強権的な対策で封じ込めた中国。その中で国民の移動履歴捕捉や、デジタル投資の加速といった変化が起きている。近年、IT分野で急成長を見せた中国が、もう一段、ブースターを点火した。
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PART3 欧州編
南北の溝は修復困難に、加速する「多極分権」
イタリア、スペインでの大流行を結束して阻止できず、域内にすきま風が吹く。経済復興でも南北で財政状態が異なり、共同での債券発行などで不協和音。むしろ、国・地域ごとに小回りを利かせて対応する「多極分権」が奏功している。
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PART4 アジア編
「強い指導者」を容認、経済の域内統合は停滞
新型コロナを封じ込めるため、アジア各国は相次ぎ厳しい封鎖に踏み切った。危機を乗り越えるには強権的な措置が必要だという考え方が広まっている。製造業からIT産業まで、経済も激しく変容する気配がある。
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EPILOGUE
急膨張する財政は世界経済をどう変えるか
世界が直面する未知の世界。それが経済対策による未曽有の財政出動だ。教科書通りならば経済はインフレに見舞われるが、話はそう簡単ではない。冷え切った人々の心と収入減は需要を冷やし、デフレとなる可能性が大きい。