イーロン・マスク氏によるツイッターの買収から約6カ月が経過し、その真意が徐々に明らかになってきた。NBCユニバーサルの広告トップの新CEO抜てきは「特効薬」というより、マスク氏の計画の一部にすぎない。カギを握るのはここ数カ月で追加した新機能。既存メディアの存在意義をも脅かしかねない構想だ。

イーロン・マスク氏が5月16日、テスラの株主総会後に1時間に及ぶCNBCのインタビューに応じ、全米を驚かせた。「台湾併合は中国の方針。誰もが懸念すべきだ」「米連邦準備理事会(FRB)の金利引き上げは遅すぎた」など、歯に衣(きぬ)着せぬ“イーロン節”を展開し、各界に波紋を投げかけている。

メディア嫌いで知られるマスク氏がなぜこんな大盤振る舞いをしたのか、すぐに合点がいった。ツイッター運営会社の新CEO(最高経営責任者)に就いたリンダ・ヤッカリーノ氏は、直近までCNBCを保有するNBCユニバーサルの広告部門トップを務めていたからだ。難しいポストを引き受けてくれた「お礼」の意味もあったのだろう。
ツイッターが直面するのは収益の柱である広告収入の激減。採用を「特効薬」と見る向きが強いが、「マスク氏が他者に任せられるまでに改革を終えたため」と見るべきだ。この数カ月間で、ツイッターの収益モデルを大きく変えようと動いてきた。
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