日本製鉄は5月10日、九州製鉄所八幡地区(北九州市)など2製鉄所で電炉を導入する検討に入ったと発表した。本命は高炉を利用した二酸化炭素(CO2)を出さない水素を使う製鉄方法だが、水素供給体制の確立はまだ途上。脱炭素社会への対応という難路を前に、まずは「急がば回れ」で電炉の活用に乗り出す。

日鉄は八幡地区の1基の高炉を電炉に切り替えるほか、瀬戸内製鉄所広畑地区(兵庫県姫路市)に電炉を新設する。最終的な電炉の総基数や投資額などは今後詰めるが、2030年までに建設する計画だ。
電炉は鉄スクラップのほか、天然ガスなどで鉄鉱石の酸素を取り除いた「還元鉄」と呼ばれる原料を溶かして鉄にする。一方、日鉄は高炉を使った製鉄会社で、石炭(コークス)によって鉄鉱石の酸素を取り除いて鉄を造る手法を用いてきた。電炉に比べて高炉の方が生産性が高いが、一般的に高炉は電炉に比べて約4倍のCO2を排出するとされる。
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