ソフトバンクの宮川潤一社長が5月10日の決算会見で、さらなるグループ再編に言及した。子会社のZホールディングス(HD)などグループ企業の再編が成長につながる可能性を秘める。アナリストからは、LINEとヤフーに加え、ソフトバンクも含めて1つの企業になるべきだという声が上がる。

モバイルの減速をZHDが補うに至っていない点が課題だ(写真=中山 博敬)
モバイルの減速をZHDが補うに至っていない点が課題だ(写真=中山 博敬)

 「グループ再編はどこかでやっていかないといけない」

 5月10日の決算会見で宮川社長はこう漏らした。同日発表されたソフトバンクの2023年3月期決算(国際会計基準)は、営業利益が期初に掲げた1兆円の目標を超えた。

 ただし、スマートフォン決済の「PayPay」子会社化に伴う評価益という一時要因で底上げされた影響が大きい。主力のモバイルを含むコンシューマー事業の営業利益は、携帯料金引き下げの影響で前期比27.7%減と足を引っ張った。ZHDを含むヤフー・LINE事業の営業利益は同0.2%増にとどまり、モバイルの減速を補うに至っていない。24年3月期の業績予想は一転減益を見込んでいる。

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