サワイグループホールディングスは、2023年4月、福井県に設立した子会社からの製品出荷を開始する。製造不正で行政処分を受けたジェネリックメーカーから生産設備と従業員を引き継いだ。しかし、ジェネリックの供給不足の背後には、不採算品目の増加もある。供給不安の問題解消はほど遠い。

トラストファーマテックの工場内部
トラストファーマテックの工場内部

 大手ジェネリック(後発医薬品)メーカーの沢井製薬を傘下に持つサワイグループホールディングス(GHD)は、2021年12月に設立した子会社のトラストファーマテック(福井県あわら市)からの製品出荷を4月に開始する。

 この工場は、21年2月に製造不正で業務停止命令と業務改善命令の行政処分を受けたジェネリックメーカー、小林化工(福井県あわら市)のものだった。この事件を皮切りにジェネリック企業で品質問題が相次ぎ、医薬品の安定供給に支障を来したことから、サワイGHDがトラストファーマテックを設立し、小林化工とその親会社のオリックスから生産設備と従業員を引き継いだ経緯がある。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り804文字 / 全文1232文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。