東京電力ホールディングスと中部電力が出資する発電大手JERAは、台湾の洋上風力事業の権益を売却する。開発費の高騰などコスト要因以外に、中国が絡む台湾有事への懸念もあるとみられる。ウクライナ危機後にガスのパイプラインが狙われる事象も発生、地政学リスクへの警戒感が高まっている。

脱原発を掲げる台湾は洋上風力で先行しており、世界のエネルギー大手などが開発・運営に関わっている(写真=Shutterstock)
脱原発を掲げる台湾は洋上風力で先行しており、世界のエネルギー大手などが開発・運営に関わっている(写真=Shutterstock)

 JERAは台湾中西部の沖合で建設が予定されている洋上風力「フォルモサ3」(最大出力200万kW)のプロジェクトについて、約44%の権益を持っている。これをフランスのエネルギー大手、トタルエナジーズに売却するとみられる。

 残りの権益はオーストラリア金融大手のマッコーリーが保有しており、2020年代半ば以降の稼働を目指していた。JERAはすでに台湾で稼働しているフォルモサ1(12.8万kW)と、試運転中のフォルモサ2(37.6万kW)では権益を維持する。

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