宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発した新型ロケット「H3」の初号機打ち上げが失敗した。国際競争を勝ち抜くべく技術の粋を集めたが、従来型と制御システムをほぼ変えていない2段目に不具合が生じた。1段目と2段目の分離成功から飛行停止までの「魔の530秒」に何があったのか、原因究明と巻き返しが急務だ。

「いち早くリターン・トゥー・フライト(再飛行)を目指したい」。3月7日の打ち上げ失敗後、JAXAの岡田匡史H3プロジェクトマネージャは憔悴(しょうすい)した様子で語った。
H3は日本の主力ロケット「H2A」の後継機。打ち上げ費用をH2Aの1回約100億円から半減させるなどの目標を掲げる。開発は決して順調ではなかったが、コストと信頼性という二律背反を両立させた自信作のはずだった。
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