いすゞ自動車は同社として初の量産EV(電気自動車)トラック「ELF(エルフ) EV」の販売を始めた。三菱ふそうトラック・バス(川崎市)と日野自動車を含む国内商用車主要3社のEVトラックが出そろった。本格化する競争を制するカギは、EVトラックを導入・運用する輸送事業者を支援するサービスにありそうだ。

いすゞが発売した量産EVトラック「エルフ EV」。先行する三菱ふそう、日野自に対抗する(写真=共同通信)
いすゞが発売した量産EVトラック「エルフ EV」。先行する三菱ふそう、日野自に対抗する(写真=共同通信)

 いすゞのエルフ EVは1度の充電で走れる航続距離は100km前後。短距離の配送などでの利用を想定する。EVトラックとしては、三菱ふそうが業界に先駆けて2017年に「eCanter(eキャンター)」の量産を開始し、日野自も22年6月に「日野デュトロ Z EV」を発売している。いすゞもこれに追い付いた格好だ。

 eキャンターの国内累計販売台数は130台超、日野デュトロ Z EVは約230台と、いずれもまだ実績は限られる。23年は3社による顧客争奪戦が活発化しそうだ。市場の黎明(れいめい)期にある、このタイミングでどこまで顧客を囲い込めるかは今後の競争の行方を大きく左右する。

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