トヨタ自動車の4月からの幹部人事が固まり、佐藤恒治次期社長を中心とした集団指導体制へと移行する。ただ、資材高騰、半導体不足、人件費上昇の「三重苦」がのしかかり、足元では北米の営業損益が赤字に。電気自動車(EV)がけん引する中国市場ではガソリン車主体の日本勢がそろって苦戦しており、多難な船出となる。

「北米地域は1台当たり約20万円の資材高騰の影響を受けている」
トヨタの担当者は、2022年4~12月期連結決算について苦しい事情を明かした。純利益は前年同期比18%減の1兆8990億円。23年3月期通期予想に対する進捗率は8割を超えたものの、資材高騰、半導体不足、人件費上昇の「三重苦」が引き続き重くのしかかり、22年10~12月期の3カ月間で見ると、北米地域の営業損益は137億円の赤字となった。
北米では資材価格や人件費の上昇によって生産コストが上がっているが、販売価格への転嫁がうまく追いついていないという。半導体不足を背景に、半導体を多く使う高価格帯の大型車両が思うように供給できていない面もある。この3カ月間の北米販売台数は前年同期の52万台から60万台に約16%伸びたが、それを打ち消して余りあるインフレの大波がトヨタを襲っているようだ。
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