政府は2月14日、日銀の正副総裁の後任人事案を国会に提示した。次期総裁は共立女子大学の植田和男教授になる見通しで、初の学者出身となる。政策やマーケットの「現実」に詳しい本格派といえる。総裁が代わっても緩和路線継続が基本シナリオとなりそうだ。

事前の大方の予想を覆す「サプライズ」だったが、市場の反応は抑制的だった。10日午後に観測報道が出た直後、外国為替市場ではドル円相場の円高が進み、国債市場では長期金利(=10年物国債利回り)が上昇。異次元緩和の立案を担ってきた雨宮正佳副総裁が総裁に昇格するとの予想が外れ、緩和縮小との思惑が一時的に高まったためだ。だが、翌週にはすぐ1ドル=132円台に戻った。長期金利は0.50%と日銀の誘導幅の上限で横ばいだ。
10日夕方、植田氏が記者団に対し「現在の日銀の政策は適切」「金融緩和の継続が必要」と話したことなどが直接の材料だ。岸田文雄政権に現状の緩和政策を短期的に縮小する意図はなく、植田氏もその方向性に同意しているとみられる。
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