公正取引委員会は1月、脱炭素を狙った企業の協業を促進するため、独占禁止法のガイドライン案を発表した。企業が共同で新たな環境対応を進める際に、独禁法に違反しないかの懸念が障害になることがある。過度な萎縮を無くす狙いで、リケンと日本ピストンリングの経営統合などにも影響する可能性がある。

「非常に苦労した」。公正取引委員会の担当者は独占独禁法のガイドラインの策定経緯をこう振り返る。ガイドラインでは脱炭素を巡る企業の協業で実際に起こりそうな75の想定例を挙げた。「グリーン社会の実現に向けた事業者の取り組みは基本的に独禁法上問題とならない場合が多い」と強調しつつ、「独禁法上問題とならない行為」「なる行為」「問題とならないよう留意を要する行為」に仕分けした。
想定例は4つの分野に大別される。①研究開発や自主基準の設定など共同の取り組み②取引先の事業活動に対する制限や取引先の選択③優越的地位の乱用行為④企業結合(M&A)──だ。①~④を包括的にまとめた日本の取り組みは、世界的にも珍しいという。
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