中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が1月31日、日本の乗用車市場にいよいよ正式参入する。第1弾の多目的スポーツ車(SUV)は、先進運転支援システム(ADAS)がてんこ盛りで税込み440万円。その価格競争力は、EVシフトを進める日本メーカーが世界中で激突する中国勢が難敵であることを示す。

1月31日に日本で発売するSUV「ATTO3」(中央)はBYDの世界戦略車だ
1月31日に日本で発売するSUV「ATTO3」(中央)はBYDの世界戦略車だ

 BYDが第1弾として発売するEVは「ATTO3(アットスリー)」。2022年12月の発表会ではフル装備で一律440万円という価格をアピールした。BYD日本法人傘下の輸入販売会社、BYDオートジャパン(横浜市)の東福寺厚樹社長は「高度な技術を集積したEVに見合った価格を意識し、検討を重ねた」と値付けまでの経緯を振り返る。

 国内のEV市場での価格競争力は高い。車載電池の総電力量がほぼ同じ日産自動車の「リーフ」は税込み525万円から。日産が原材料高を理由に12月に約100万円の値上げを実施したことで大きな価格差が付いた。同じく日産の「アリア」(539万円から)や、SUBARU(スバル)の「ソルテラ」(594万円から)とは、もっと差が大きい。

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