三越伊勢丹ホールディングス(HD)がフィリピンの首都マニラに「MITSUKOSHI BGC」(三越BGC)を開業した。日本の百貨店が同国に進出するのは初めて。2020年にタイから撤退した同社は東南アジアに再挑戦する。過去の苦い経験を踏まえ、事業モデルを転換して挑むリベンジマッチで活路を切り開こうとしている。

正面玄関ではおなじみのライオン像がお出迎え。化粧品を扱う1階の「MITSUKOSHI Beauty」では女性客がオーガニックコスメ商品を手に取っていた。地下1階は食品フロア、2階には書店、眼鏡店、飲食店などが並ぶ。
三越伊勢丹HDが出店したのはフィリピンの首都マニラ中心部の南東11kmにあるボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)。陸軍の広大な敷地を再開発した地域で、現地財閥系や外資系の企業に勤める人々や在留外国人が多く暮らす。2025年以降にはフィリピン初の地下鉄「メトロ・マニラ・サブウエー」の駅も設置される予定で、この国の成長を象徴するような街だ。
際立つ“若さ”、中間層が台頭
1億1000万人余りの人口を抱えるフィリピンだが、出生率が高く、その“若さ“は東南アジア諸国の中でも際立つ。年齢別の人口構成は奇麗なピラミッド型で、少子化でいびつな図形を描く日本とは対照的だ。
中間層も台頭しつつある。国際通貨基金(IMF)によれば、22年時点の1人当たりの国内総生産(GDP)は約3600ドル(約49万円)で、12年から900ドル近く増えている。人口減少と経済の停滞に直面する日本の内需型企業にとって魅力的な市場だ。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1289文字 / 全文1968文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?