米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)がボストン郊外に立つ先端ロボットの開発拠点「BOS27」を初公開した。個別商品を識別・分類するロボットや完全自律型搬送ロボットを紹介、人との協働による一層の効率化を強調する。人員削減や、「負傷事故発生率が高い」などと批判を受けるアマゾン。ロボットは強まる風当たりを防ぐ盾となるか。

アマゾンが11月10日に初公開した最先端の物流ロボット「スパロー」
アマゾンが11月10日に初公開した最先端の物流ロボット「スパロー」

 米ボストン郊外に立つアマゾンの開発拠点「BOS27」。2021年10月に新設したこの施設を、アマゾンは22年11月10日に初公開した。ベールに包まれていた“秘密基地”では、どんな実験が行われてきたのだろうか。

 この日は、新型物流ロボット「Sparrow(スパロー)」が稼働する姿をお披露目した。アマゾンでは初めて梱包前の商品を識別・分類できるロボットとなる。12年にロボットメーカーの米Kiva Systems(キバ・システムズ)を買収、物流ロボット開発に注力してきた成果の一つだ。

 スパローは数百万種類あるとされる商品群から個別商品をピックアップする。2次元コードや形状、表面の素材など、複数の要素を組み合わせて対象物を特定するという。商品をつかむのはアーム先端に装着したバキューム式のアタッチメント。吸引力で商品を保持する仕組みだ。

 スパロー開発を担当したプリンシパルテクニカルプロダクトマネジャーのジェイソン・メッシンジャー氏は、開発の難しさを次のように語る。「小麦粉からギフトカードまで、我々は多種多様な商品を扱う。AI(人工知能)とコンピュータービジョンを使って扱う商品を即座に認識し、アームでつかむ。その実現にはソフトウエアとハードウエアの融合が必要で、繰り返し実験してきた」

 アマゾンが年間に扱う商品は延べ約50億個。1日当たり1300万個程度の商品を棚出しして保管、梱包する。その作業の75%にロボットが関わっている。だが、運搬や荷詰め後の仕分け工程が中心で、ロボットによる商品の識別は難しかった。

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